令和7年3月7日 メッセージ(施政方針)

ページ番号1004934  更新日 2025年3月10日

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令和7年第1回広野町議会定例会 施策方針(原文のまま)

東日本大震災及び原子力災害から14年が経過しようとしております。この大震災により、今日に至るまで尊い命を亡くされた、直接死と震災関連死を併せて49名の方々のご冥福を祈り、被災された全ての皆様に心からお見舞い申し上げます。

 

昨年を振り返りますと、福島県において固定開催となりました「全国高等学校総合体育大会(インターハイ)男子サッカー競技」が7月から8月にかけてJヴィレッジを中心に開催され、全国 52 チームの選手やスタッフ、多くの観客の皆様にお越しいただき、大会を盛会裏に終えることができました。全国より参加された選手が“サッカーの聖地”Jヴィレッジで躍動する姿から勇気と感動をいただきました。

平成25 年以来、約 11 年ぶりに二ツ沼総合公園で開催された「ふたばワールド」は、震災・原発事故により避難した住民の絆を繋ぐとともに、新たに移住された方々や双葉地域に 思いを寄せる方々との交流を通して、双葉地方の更なる振興が図られました。

広野町は、豊かな自然環境を守り受け継いでいくことを念頭に、昨年秋、自然豊かな里山のある情景から生まれた童謡「とんぼのめがね」、その舞台となったまちの米農家が豊かな土壌と清らかな水で丹精込めて育てた特別栽培米を「とんぼのめがね米 」 と名付けました。広野産特別栽培米のブランド化を図るとともに、ふるさと納税制度を活用して全国に“東北に春を告げるまち広野”をPRしてまいります。本年、広野町は町政施行85 周年を迎えます。 私は、 ふる里広野町の歴史、伝統、文化に対する誇りを胸に、 本年をふるさと復興 ・創生「 漸進(ぜんしん)の年」と位置づけ、「いのちを守り、人を活かし、未来をつくる町」を標榜し、日本一元気なまち づくり と 更なる復興 創生の躍進に向け 一歩一歩確実に 、全力で取り組んでいきます。

 

はじめに『いのちを守り』についての事業であります。町の健康課題として、高血圧や高脂血症、肥満、糖尿病などによる心臓病や脳血管疾患の循環器疾患が多い事が挙げられます。令和3年12月に 県が公表したお達者度において、男性が県下ワースト1位、女性が ワースト 8位という結果となっています。これら健康課題に対応するため、令和 3年10月 の「脱 お達者度ワースト1 、脱メタボ」宣言に基づき、町独自の「広野町健康福祉手帳」、「健康ポイント事業」や「フィットネスクラブ利用助成事業」など、健康増進事業を積極的に展開 するとともに 、 民間活力と新たな視点を積極的に導入するために令和6年12月25日に株式会社 ルネサンスと締結した「広野町と株式会社ルネサンスとの福祉及び健康施策の 推進 に関す
る協定」により、 乳幼児から働き盛り世代、高齢者まで、すべてのライフステージを通し て自発的で持続可能な健康づくりを推進します。町のみんなが「家庭」、「地域」、「行政」それぞれの役割を意識するとともに、相互に連携・協働しながら健康づくりの輪を広げ てまいります 。

平成31年1月の「福祉のまちづくり」宣言に基づき、地域が抱えている医療・介護・福祉の様々な課題に対し迅速かつ適切に対応するため、包括的な地域連携を図る「広野町地域包括ケアシステム」を構
築することを目的として、 高齢者福祉につきましては、健康で生きがいを持って安心して暮らすことができるよう関係機関と連携し、外出支援サービス事業、配食サービス事業、マゴコロボタン事業、高齢者の見守り体制を構築するため 「 広野まるごと応援隊ネットワーク事業」の 普及に努め、 ひとり暮らし高齢者や高齢者世帯の生活支援を充実していきます。

障がい者福祉につきましては、障がい者が自立した生活を送ることができるよう、障がい者自立支援給付事業や地域生活支援事業を通じて日常生活を支援し、各種障がい福祉サービスや相談業務の充実に努めます。また、公共交通機関の利用が困難な 障がい を お持ちの方 の 通所事業所までの移動支援 事業 を 継続して実施し ます。

介護保険事業につきましては、平成 28 年度から実施する 「いきいき百歳体操」を 積極的に実施 し 、地域の皆さんが 自主的に活動できるよう 、 サポート 体制を整えていき ます。 必要な方に必要なサービスが適切に提供できる体制整備を行い、 高齢者の 保健事業と 介護予防の一体的な事業を実施 し ます。

母子保健につきましては、子育て世代へ寄り添いながら支援の充実を図るとともに、妊産婦・乳幼児健康診査、各種予防接種、乳幼児等医療費助成事業を引き続き実施いたします。出生並びに子育てに悩むご夫婦の経済的負担を軽減するため、不妊治療などについて、引き続き医療費助成を行っていきます。

全国的に大きな社会 問題となってい ます 児童虐待につ きまし ては 、令和7年度に広野町子ども家庭センターを設置し、 役場内 関係各課をはじめ 児童相談所 等の福祉 関係 機関 、 学校等の 教育関係機関 、 警察関係機関等 との連携を図り、 虐待防止、 早期発見 に取り組んでいきます。

交通安全対策につきましては、 広野町 安心・安全ネットワーク会議など と緊密な連携を図り 、 国道 6 号等において立哨活動を 毎月実施し、交通事故防止を呼びかけます 。

学校から2キロメートル 圏内 において小中学生 の徒歩通学が 実施されていることから、交通教育専門員 による児童・ 生徒の交通安全街頭指導を行います 。

自転車乗車時のヘルメット着用を推進し、交通事故による被害軽減を図るため、ヘルメット購入経費の一部を支援していきます。

高齢者が当事者となる交通事故の減少を図るため、高齢者運転免許証自主返納支援事業 を実施するとともに、高齢運転者によるアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる事故を防止するため、自動車急発進防止装置の設置経費の一部を支援していきます。

防犯対策につきましては、 地域住民が 安心して生活できるよう 、双葉警察署、警戒パトロール隊、防犯指導隊等関係団体と 連携を図り犯罪の 防止 に 取り組み ます。

犯罪に 対する抑止力の向上を推進するため、住宅用 防犯カメラ、人感センサーライト等 の 設置経費の一部を支援していきます。

高齢者がいる世 帯を対象に振り込め詐欺等の特殊詐欺、悪質な電話勧誘などの被害を未然に防ぐため、特殊詐欺防止機能がついた電話機等の購入経費の一部を支援していきます。

令和7年度末をもって現在運用している見守りカメラのクラウドサービスが利用停止となるため、見守りカメラの機器更新を行い、通学する児童・生徒の安全確保及び犯罪抑止に引き続き取り組みます。

防災・防火対策につきましては、 東日本大震災の 教訓を活かし、 災害発生時に住民を迅速かつ確実に避難させるため、防災行政無線や緊急速報メール、役場屋上LED防災情報システムを活用し情報を的確に伝えます。

地震・津波災害から住民の生命を守るため、関係機関と連携のもと、町内全域を対象とした地震・津波避難訓練を実施し、防災体制の連携強化と住民の防災意識の高揚に取り組みます。

町の災害対応力の向上と防災用トイレの普及啓発を目的として、災害発生時に避難所等へ配備できる「防災用トイレトラック」を導入するとともに、いざという時にネットワークに参加している全国の自治体が駆けつけ、助け 合う「災害派遣トイレネットワーク」に加盟します。

地域防災の中核である消防団員の活動をICT(情報通信技術)でサポートするため、携帯電話で火災時に一斉通知、動態管理、水利表示ができ、消防団の初動が早くなる「消防団アシストアプリケーションSAFE(セーフ)」を導入します。消防団、婦人消防隊 と連携して予防消防に取り組むとともに、 高齢者世帯に おいては関係機関と 連携しながら 火災予防啓発活動を実施します。

住宅用火災警報器の設置率向上及び適切な維持管理による火災の延焼拡大の抑制を図るため、住宅用火災警報器の設置経費の一部を支援していきます。

町内インフラ施設の維持管理及び整備につきましては、道路、橋梁、トンネル、下水道施設の点検を実施し、道路や下水道施設の計画的な補修による施設の長寿命化を図り、安全確保に取り組みます。

道路整備につきましては 、危険個所、未改良区間の解消を計画的に実施し、町民の生活環境の向上を図り、安心安全な道路網を形成し、有事の際の緊急車両の通行及び通勤通学時の安全確保に取り組みます。

折木地区土砂採取事業につきましては、硬質な岩盤の出現により途中で中止となった土砂採取事業を安全に完了させるため林地開発の基準に基づき工事を実施し森林回復に取り組みます。

 

次に『ひとを活かし 』についての事業 であります。

農業につきましては、 営農再開 13 年目となります令和7年度に営農を行う農家に対しては、国の経営所得安定対策を活用し、農業経営の安定を図ります。本町のような中山間地域では、高齢化が進む中、農業生産条件が不利な面があることから、担い手の育成等による農業生産の維持を通じて、耕作放棄地の発生を防ぎ、水源涵養、洪水防止、土砂崩壊防止等の 多面的機能を継続的、効果的に発揮するため、多面的機能支払事業及び中山間地域等直接支払交付金事業を活用し、農用地等の地域資源の保全管理に必要な支援を行うとともに、福島県営農再開支援事業を活用し、イノシシ等鳥獣被害対策に取り組みます。

土地利用型農業の収益向上を図るため、基幹作物である主食用米の特別栽培米や有機栽培米を促進し、付加価値の高い米の生産に取り組むとともに、生産農家の収益向上と生きがいづくりを図るため、大豆、麦、野菜など町振興作物の生産に対する支援に取り組みます。

ふるさと納税制度を活用し、寄附をしていただいた納税者の皆様に、広野産特別栽培米コシヒカリ「とんぼのめがね米」や広野産米で造った日本酒などを返礼品として送付することにより、本町の基幹産業である農業の魅力や地域ブランドの情報発信を行い、特産品の販売促進や消費拡大を図り、地域経済の活性化に繋げます。また、町農産物の価値を伝え、販売・消費の拡大を図るため、秋には収穫祭を開催するとともに、町外で開催される様々な物産展等のイベントに積極的に参加します。

担い手農家の経営規模拡大、効率的かつ安定的な農業経営が行なえるよう、国、県、関係機関と連携を図り、町内 7地区のほ場整備事業の面工事が完了し、5地区の補完工事に継続して取り組みます。また、農業における高齢化、後継者不足、耕作放棄地等の増加などの人と農地の問題解決を図り、地域農業を守り次世代に引き継いでいくことを念頭として、担い手農家へ効率的な農地の集積・集約を図るため、法制化された「地域計画」と農地中間管理事業の活用の推進に継続的に取り組みます。本町の農業における担い手不足を解消し農業の持続的かつ安定的な発展を図り、農業者の確保、育成を目的として広野町農業次世代人材育成奨学金の活用推進及び新規就農者等に対する 経営安定化支援、スマート農業導入支援に取り組みます。

広野こども園事業につきましては 、令和2年度に連携協定を締結したいわき短期大学附属幼稚園と、園児や職員の交流などを通して双方の取り組みや課題を共有し、幼児教育の質の向上、人材育成に 取り組みます 。

 

次に『未来をつくる町』についての事業であります。
ふくしま森林再生事業につきましては、 間伐などの森林整備より森林の有する多面的機能の維持と表土の流出に伴い原発事故による放射性物質の拡散防止を図ることを目的として計画的に取り組みます。令和7年度においては、上浅見川字 狼山地区において約 43 ヘクタールの整備を目指します。

町の大切な水資源確保のためには水源地周辺の森林整備が必要不可欠となることから、森林整備における作業コスト軽減による生産性の向上及び労働条件の緩和を図るため、林業専用道「 狼山・ 叶沢線」の整備に継続して取り組み、令和8年度完成を目指します。

五社山山頂周辺に整備された遊歩 道等の施設が経年劣化により腐食している状況にあることから、森林環境譲与税を活用し計画的に改修を行い登山者の安全確保と地域住民が森林に親しめる環境整備に取り組 んでまいります。 「第 36 回巨木を語ろう全国フォーラム福島・広野大会」を開催することで、 巨樹 ・ 巨木 などの自然の恵みや緑豊かな美しい里山の魅力を全国に発信し、 森を育てていくことで自然環境保護への意識啓発を図り、 千年後の未来へ巨木をおくり届けていきます。

復興関連事業につきましては、 東日本大震災及び 原子力事故 から14年 が経過し、第二期復興創生期間から、更にその先に歩みを進めるにあたり 、 広野町復興計画に掲げる基本理念・目的を達成し、復興事業のシンボルに位置付けている広野駅東側第一期開発地区の産業団地並びに第二期開発地区の住宅団地、広野駅周辺の整備を着実に進めていきます。住宅団地整備事業については、事業者による造成工事が完了し販売を開始しており、多くの住宅メーカー様より関心をいただいています。若者・子育て世代の定住、県外都市部等からの 移住 に 重点を置き、 土地購入の負担軽減となる 補助制度 の実施、子育て・教育環境の充実、就労環境 や企業マッチングに力を入れ、移住後の安定的な生活を支援していきます。

広野駅周辺整備事業 について は、「広野駅周辺整備の基本事項に関する協定」に基づきJR東日本水戸支社と協議を 進め 、未来のかけ橋と広野駅構内こ線橋へのエレベーターの設置、スロープやホームの嵩上げなどバリアフリー化が進み、令和6年 11 月9日には新駅となるコンパクト駅舎の供用が開始されました。今後、駅利用者の利便性を高めるため旧駅舎の改修、西口広場のロータリー化を行い、町のランドマークとして利用者が 安心 ・ 安全に利用できる環境 、地域住民の交流の場 を 構築していきます。

福島イノベーション・コースト構想の推進 につきましては 、福島イノベーション・コースト構想に掲げる多様な産業を集積し、福島第一原子力発 電所の事故により失われた地域の生業を再生させるため、「研究開発」、「産業化」、「人材育成」、「司令塔」の4つの機能を有する福島国際研究教育機構(F-REI)が浪江町に設置されました。地域の現状 や課題 を整理し、 技術の 実用化 及び 具体化 を念頭に 本格的な事業 化を 推進 する ため 、研究者や専門家を はじめ 知見を有する人材 の 配置 、支援を行い、完成した東町産業団地、駅東産業団地と共に企業誘致を積極的に進め、地元企業と ベンチャー企業 ・スタートアップ企業と の マッチングやサプライチェーンの構築に取り組んでいきます 。

教育の丘には、県立ふたば未来学園 中高一貫校や広野小・中学校の児童・生徒、 約 1,000 人 が 日々勉学に励んでおり 、 F REI (エフレイ) に 進出 する 研究機関 が 求める 人材育成を念頭とした 実学の場として 、 最も重要な位置を占めると 考え ています。 今後、 より 高度な就学の場 である 大学などの高等教育機関 と 連携 を深め、協定 を締結している 東京大学アイソトープ総合センター、 早稲田大学 、 東日本国際大学 、 福島高専 の拠点となる 研究施設 や研究等の充実を図り、 地域の 復興 を支える人材育成に 取り組んで いきます。

ゼロカーボンシティの取組みにつきましては、地球温暖化が原因とされる大災害を伴う気候変動から、パリ協定に基づく長期戦略として、 今世紀後半のできるだけ早い時期に脱炭素社会の実現を目指すことが掲げられ、CO2の削減を目的としたカーボンニュートラルに向けての取り組みが世界の潮流となっています。

広野火力発電所が立地する町として、事業者である株式会社JERAと共に、持続可能な将来像の実現のため「広野町ゼロカーボンビジョン」を策定し、脱炭素技術の開発促進、経済的な合理性、国等の政策との整合性を踏まえ、再生可能エネルギーを推進していきます。

町では、昨年度に引き続き「民間資金を活用した公共施設等への再生可能エネルギー設備導入等事業」に係る基本協定に基づき、スマートソーラー株式会社と連携し、「環境負荷の軽減」、「災害時の非常用電源確保」、「地域社会へ の啓発と普及促進」に取り組むとともに、環境省の交付金事業を活用し、太陽光・風力・バイオマス発電など、再生可能エネルギーの活用を図り、EV車等や急速充填設備の設置、水素・アンモニアの社会利用モデルの構築に取り組み、 2050 年のカーボンニュートラルの実現を目指します。

移住・定住事業の展開につきましては、第二期復興創生期間からその先に 向け、少子高齢化の地域課題に対応するため、「広野町移住定住「共生のまちづくり」促進プラン」による人口増を目標に掲げ、若者世代・子育て世代をターゲットとした住宅開発、各種交流イベントへの参加、SNSを使ったメディア戦略によるPR事業の展開、移住体験ツアーや二地域居住の受け入れ体制の構築を図ります。これら施策を展開するにあたり、東日本大震災・原子力事故以降、復興支援等でお世話になった国・県・地方自治体、NPO等地域団体、ひろぼークラブなどで応援いただいている方々、東京福島広野会の皆様、大学などの高等学術機関、各企業等、関係するすべての皆様とネットワーク体制を構築し、様々な場面において情報を共有していきます。移住を希望される方々と地域の皆さんとのきずなを深めながら、受入体制の一層の強化を 図り、移住・定住の促進に積極的に取り組んで いき ます。

子育て環境の構築につきましては 、 子育て環境の充実を図るため、広野町 子ども家庭 センタ ーを中心に保健師、保育士、教育委員会、 民生児童委員、こども家庭課職員が部署の垣根を越えた横断的な連携を行うとともに、新たに子育て世帯訪問支援事業を展開し、 子育てに関する様々な問題の早期発見、解決に 取り組んでいきます 。 妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境整備のため、 引き続き0歳から 5 歳児の保育料を無償化することで、子育て家庭の経済的支援を行っていきます。

教育全般につきましては、 令和2年度(小学校)、3年度(中学校)より全面実施されている現行の学習指導要領および第 三次広野町教育ビジョンに基づく教育活動を展開し、ふたば未来学園中学校・高校との連携を見据えながら、広野町立学校独自の魅力ある教育の創出を図ります。

確かな学力・豊かな心を 育成する学校教育の推進につきましては 、「主体的・対話的で深い学び」 へ導く授業づくりの推進 に向け、人権教育の理念を基にした授業の充実、授業および家庭学習において一人1台タブレットを活用するとともに、町独自にICT支援員を配置し、 児童生 徒の発達段階に応じて、探究的な学びに情報活用能力を生かし、 ICT 機器の効果的な活用を各教科の単元計画に位置づけ、学びの質や効率の向上に取り組みます。 これまでの小中連携体制を生かしながら、教育委員会と学校で組織する「授業力向上委員会」において、子どもたちの実態を分析し、学力向上に向けた授業研究会・指導法改善の研修会の充実に取り組みます。 学校司書と連携し図書館資料の活用促進を図り、読書や書籍活用の意欲を高めるとともに、学校図書館の利用を授業計画に組み込み、読書センター機能・学習センター機能・情報センター機能を発揮した学びの推進に取り組みます。

グローバル教育の推進につきましては、 語学力やコミュニケーション能力を育成する環境の充実を図るため、外国語指導助手を活用した英語教育に加え、中学校において異文化交流、国際理解や国際協調の学びを目的とした東日本国際大学との交流事業(グローバル・デイ)並びに小中学校児童生徒のブリティッシュヒルズ異文化交流宿泊体験事業を小学校5年生から中学校2年生まで続した4年間に拡充して実施します。

地域と学校が協働する学びの推進 につきましては 、 中学校において、地域の人的・物的資源を活用し、 映像制作を通して「ふるさと広野町」の良さを再発見し、伝統と文化を見つめ直すことで、広野町の未来と地域の復興に貢献できる子どもたちの育成を目的とした「ふるさと創造学」に取り組みます。令和3年度に作成した地域学習用副読本(小学生向け)を契機とし、地域の人的・物的資源を活用しながら、子どもたちが地域の事象や歴史的背景等を学ぶことができるようにします。 コミュニティ・スクールを展開することで、 学校と家庭、地域住民、社会教育機関等が、学校内外の活動において有機的に協働し、学校を核とした地域社会全体で子どもを育む環境の整備に取り組みます。

学びのセーフティネットの推進 につきましては 、 特別な支援を要する児童生徒一人一人に対し「個別の教育支援計画」を作成し、専門機関、スクールカウンセラー、支援員と連携を図りながら、個に 応じた支援体制を構築します。校種間での連携を図り、切れ目のない支援体制が構築できるよう「個別の教育支援計画」の内容を年度末に見直し、次年度の活用につなげてい
き ます。

環境対策につきましては、 現代の住民、そして未来の子どもたちが健康で安全、かつ快適な生活を営むことができる恵み豊かな環境の確保に向け、広野町環境基本計画に基づき、環境の保全等に関する基本的な施策を総合的かつ計画的に実施していきます。

各地区 ごみステーションにおいて、指定ごみを 収集日 以外に 出 されて いる 事案や不要となった寝具、家電等の 不法 投棄が目立つことから、家庭ごみ 収集日 カレンダー の配布、 広報等 に よる マナー周知 のほか 、環境美化推進 員による巡回・監視 と 広野町安心 ・安全 ネットワーク 会議 における関連 事業所等への注意喚起に 取り組み ます。

低炭素社会構築に向けた環境に優しいまちづくりの推進を図るため、住宅における一次エネルギー消費量の約3割を占める給湯設備の給湯負荷を低減し、光熱費と環境負荷を抑えることができる「 節湯型シャワーヘッド」購入経費の一部を支援していきます。

燃料電池自動車や電気自動車等の次世代自動車の普及を促進し、地球温暖化対策の推進を図るため、次世代自動車及び電気自動車等充電設備について、導入経費の一部を支援していきます。

除染対策につ きましては 、昨年度 に引き続き、 町民の放射線 からの不安払拭並びに生活圏における放射線 の 状況について情報提供 するため、一般家屋 及び公共施設 の敷地における 環境 放射線 モニタ リング調査 を実施します。

以上申し述べました各種重点事業以外の主な事業 について申し上げます。

公民館における生涯学習事業 につきましては、人生100年時代をとらえ、多様化する社会教育や家庭教育に対処できる学びの場として、「ふるさと 創生大学 」、「ひろの元気教室」、「 各種 文化 教室 」 、 「 五社山登山」 、「 集団対抗パーク ゴルフ大会 」 、 「 文化展 」 、「生涯学習発表会 」 、「Jヴィレッジハーフマラソン」等 の 文化活動並びに スポー ツ活
動を実施し、 地域間 及び 世代間 の 交流 を促進させ 、併せて交流人口の拡大 及び地域活性化 へと 取り組んでいきます 。

令和4年4月に開設いたしました「文化交流施設ひろの未来館」につきましては、本年度は 約 4 ,000 人の来館者にご利用いただ きました 。これからも地元で発掘された遺跡・文化財の展示等を工夫し、町民だけではなく多くの方に興味をもっていただき、地域の歴史について理解を深めてもらえるよう 取り組んでいきます 。

震災からの避難等により、青少年を取り巻く社会環境も大きく化し、次代を担う青少年が地域の中で、心身ともに健康で社会に参画できるよう青少年の健全育成を町民総ぐるみで推進 していきます 。

 

以上、令和7年度予算に計上した主な施策等を申し上げましたが、その財源としましては、国庫補助金や県補助金、町債を活用するほか、あらゆる方策を講じて財源を確保することや、国・県に対しても十な財政措置を講ずるよう強く要望していきます。更に、限られた財源を有効に活用する観点から、経費の一層の節減合理化と行政各般にわたる見直しを行い、各種施策の必要性・優先度を勘案した厳しい選択を行い編成したところであります。

その結果、一般会計の予算案は総額64 億 2,476 万 9 千円の規模となり、対前年比16.7 %の増となったところ であります。

その概要を申し上げますと、
まず、歳入面では地域脱炭素移行・再エネ推進交付金事業の国庫支出金や復興関連の県支出金が増加しており、普通交付税については不交付団体となる見込みでありますが、町税は減収しており次年度以降も減収となるため、本町財政は依然として厳しい状況にあります。このため、可能な限り歳入の確保を図るとともに、財政調整基金、公共用施設維持補修基金等、各種基金からの繰り入れを見込み、財源の確保をいたしております。

一方、歳出面では、復興・創生への取り組みを最優先とし、施策の大綱に掲げた重点 事項等を実施するため、限られた財源の重点的、優先的な配分に努めました。歳出予算の総額は、前年度と比較して9億2,054 万4千円の増額となり、主な増額の理由としましては、広野駅周辺整備事業、二酸化炭素排出抑制対策事業費及び学校給食共同調理場整備事業の増額によるものであります。

次に、各特別会計の予算案について申し上げます。「国民健康保険特別会計予算案」については、国保財政の健全化、
効率的な運用に努めるとともに、医療費の適正化及び町民の健康維持対策等に取り組んでいきます。

「土地開発事業特別会計予算案」については、広野町復興計画に基づき、広野駅東側開発整備事業(第2期)、広洋台整備に取り組んで
いきます。

「介護保険特別会計予算案」については、制度の趣旨を踏まえ、介護保険の円滑な運営に要する所要経費を計上いたしました。

「後期高齢者医療特別会計予算案」については、これから迎える超高齢化社会に対応した高齢者医療制度の円滑な運営のため、所要額を計上いたしました。

次に、企業会計の予算案について申し上げます。「下水道事業会計予算案」については、企業会計原則に基づき、独
立採算を基本に収入の確保と経費節減に取り組んでいき ます。令和7年度の一般会計、4特別会計及び企業会計を合わせた予算総額は、 81 億 3 000 万 1 千円 で、対前年度比 10. 5 パーセントの増となる 予算規模であります。事業実施においては、安全を最優先し、安全管理体制の徹底を図り、実施していきます。以上、令和7年度広野町の主要な施政の基本、施政の概要及び財政運営方針についてご説明申し上げました。

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