平成25年12月24日メッセージ(町長所信表明)

ページ番号1002109  更新日 2022年2月10日

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平成25年第4回広野町議会定例会 所信表明

皆様、おはようございます。
本日ここに、平成二十五年第四回広野町議会定例会を開催するに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
議会議員の皆様におかれましては、公私ともご多忙のところ、ご出席を賜りましたこと、心より厚く御礼申し上げます。
この度の広野町長選挙において、町政執行の重責を担うこととなりました。もとより『若年・浅学・菲才』の身ではございますが、町民の付託に応えるため、誠心誠意職務を遂行し、町政進展のため全力を尽くす所存でございますので何卒よろしくお願い申し上げます。
前山田基星町長がこれまでに取り組んできた広野町復興のための施策を継承しつつ、発展・進化を図って参ります。
私が取り組む町づくりは、町民の皆様との合意を大切にした町民総参加型の町づくりであります。今なお多くの町民が町外での避難生活を送っておりますが、避難している町民全員が広野町への帰還を果たせるよう、職員と共に一丸となって、全力で取り組んで参ります。

まずは、被災の町から歴史と文化を継承して新しい町を創るために、しっかりした町の未来像を描くべく、家族愛にあふれたふる里広野を子どもたちへ継承するという基本理念の基、活力ある町づくりに取り組むことが私に与えられた責務と認識致しているところであります。
また、現在の広野町の厳しい財政状況を鑑み、ゼロベースで予算を見直し、財政状況に応じた有効な施策を一つ一つ確実に実行していくことより、広野町の財政再建を図って参ります。
さらに、双葉郡八ヶ町村の広域的視点に立ち、双葉郡内町村との連携の基、双葉郡内住民のための災害公営住宅等の整備を支援して参ります。
そのために、町政運営についての五つの柱を立て、実行して参ります。
一つ目の柱は、生活再建への取り組み強化であります。
そのためにもまず、徹底した賠償の即時実施を求めて参ります。加えて、ふる里再生に向けた、帰町に着目した新たな支援制度の創設について検討するとともに、賠償金と併せて求めて参ります。双葉郡はもとより原発立地に関わる雇用が大きな割合を占めている地域でありますので、廃炉関係研究機関や再生可能エネルギー産業の誘致により新たな雇用を創出し、生活基盤の安定を図って参ります。
また、高齢者世代による、ふる里再生事業を展開し、いきいきとした活力ある生活の充実を図って参ります。
さらに、行政機構改革を行い、町民の皆様に分かり易い行政サービスの提供を図って参ります。
二つ目の柱は、安心を取り戻し、広野町の生活環境を整備することであります。
まずは、徹底した除染を行い、継続的なモニタリングにより、その効果を検証して参ります。
次に、広野町内の医療機関がいわき市と連携をすることにより、住民への医療サービスの一層の充実と二次医療、三次医療の体制強化を図って参ります。また、保健センターの役割を最大限活用し、高齢者をはじめとする住民の健康増進事業等を展開して参ります。
さらに、新たな町づくりへ向けて、生きがい事業等を展開する重要な役割を担うこととなる社会福祉協議会を支援して参ります。また、男女共同参画社会の理念のもと、既存の女性団体等の活性化を促進すべく、支援して参ります。
三つ目の柱は、発展を促進し、新しい町づくりを行うことであります。
まずは広野町の基幹産業である農業の再生であります。これまでの農業整備等あり方を見直し、本町に適した農産物の振興や農法の確立に努め、競争力のある農業を目指します。さらに、将来の農業を担う後継者の育成に取り組み、農業の存続を図って参ります。
次に、住民の普段の生活に欠かせない商店の再開を支援することで、広野町内における生活基盤を確立して参ります。さらに大型店舗の誘致を進め、個人商店の補完的役割を担っていただこうと考えております。
同時に、町の復興計画で定まっております、駅東側地区の開発においては、将来を見据えた新エネルギーや放射線に関する研究機関等を誘致し、さらに新たな企業等の誘致を進めて参ります。
加えて、東京電力株式会社から広野火力発電所に石炭ガス化複合発電(IGCC)を建設したいというお話がありました。広野町としては、これを福島県浜通地域復興のシンボルとすべく、支援、協力して参ります。また、経済復興及び雇用創出につながるよう、働きかけて参ります。
四つ目の柱は、情報の共有により町民の意見を町政に反映させることであります。
復興・再生のためには、町民の皆様と直接意見交換を行える場の提供が不可欠であります。町政懇談会を開催し、それを通して町民の皆様の意見を吸い上げ、町政に反映させる体制を整えて参ります。
また、情報の共有と同時に復興、再生の情報を全国に発信して参ります。双方向の情報発信を通して、避難によりお世話になった地域の方々との交流を図るともに、各界・各階層からの助言を賜り、町政に積極的に活用していきたいと考えております。
五つ目の柱は、教育の充実により未来を担う子どもたちを育てることであります。
はじめに、子どもたちが安心して教育を受けられる環境を整備して参ります。県で方針化されました、双葉郡の中高一貫校設置につきましては、教育行政の新たな一歩として、双葉郡全体の復興となり得るような、全国から生徒を募集できる魅力ある学校となるよう、要望して参ります。また、計画推進の過程において、児童生徒・保護者の方々のご理解とご協力の基に取り組んで参ります。そして、双葉地区教育構想に基づき、現在静岡県御殿場市へ避難しているJFAアカデミー福島の子どもたちの受け入れを求めて参ります。
次に、中学校におきましては、春・夏・冬休み、放課後のいずれかの時間を活用し、学力向上を図って参ります。また、子どもたちの夢と希望を育むべく、中学校での国際交流事業等を通して人材育成を図って参ります。

以上、町政運営の基礎となるこれら五つの柱の施策を推し進めて参ります。そして、行政はもとより、町民同士が共に手を動かし、足を動かし、汗を流しながら日常生活の楽しみを共有していくことにより、広野町全体で連帯感と絆が生まれ、被災の町から歴史と文化を継承し、新しい町、希望の光がきらりと光る町を創っていくことができるものと考えております。
この、前人未到の復興への道のりは、決して平坦なものではありません。是非とも議会議員の皆様のご理解とご協力を賜り、山積する課題を共に解決し、克服して参りたいと存じます。何卒、格別のご指導ご鞭撻の程、心よりお願い申し上げ、本議会招集と併せ、私の就任の挨拶並びに所信表明といたします。

広野町長 遠藤 智

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