心身を癒やし、これからを考えるため広野町に戻ってきました

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令和6年1月22日/Hair Salon covi

Uターン:大須賀千香さん

広野町出身。東日本大震災後に東京都に移り住み、美容師として約10年間勤務。その後、故郷である広野町に戻り、2023年6月2日下北迫地内に「Hair Salon covi」をオープン。


心身を癒やし、これからを考えるため広野町に戻ってきました

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インタビューに答える大須賀さん

広野町で育ち、「いわき理容美容専門学校(※現iwakiヘアメイクアカデミー)」を卒業後、実家からいわき市の美容室へ通い、10年ほど働いていました。その後、「後継者が少ない傾向にある美容室を新規オープンすることで、地域に貢献したい」との思いから、商店街で理容室を営んでいた実家を改装。老若男女問わず気軽に通える地域に密着した理・美容室としてリニューアルし、母と一緒に働いていたのですが、東日本大震災が発生。東京へと移り住みました。

東京では、全く土地勘が無く周辺環境も分からなかったので、まずは美容師派遣会社に登録し、色々なお店で働きました。徐々に慣れてきた頃に、あまり都心すぎない板橋区・練馬区が働きやすそうだなと考えるようになり、それらの地域で美容室を探し、就職しました。約10年間働いていたのですが、日々の忙しさから体調を崩してしまいました。一時期は美容師を続けるかどうかという段階まで悩んだのですが、ひとまず故郷に帰って考えようと広野町に帰って来ました。


補助金を活用し、慣れ親しんだ故郷での開業を決意しました

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2023年6月にオープンした「Hair Salon covi(コーヴィー)」

母は先に広野町に戻って来ていて、近所に住む年配の方や障害を持っている方のため、理容師としての仕事を続けており、地域にとても貢献していたと思います。ですが、実家は建物の損傷が激しく、近隣住民も年配の方ばかりだったので、町内で一緒に働くのは難しいかなと。

仕事は続けたいけれど、どうしようかと悩んでいたところ、同業者の方に福島県の創業補助金制度があることを教えていただき、「広野町商工会」に相談しました。いわき市での開業も考えたのですが、「補助金を受けてネットやSNSで集客を行えば何とかやっていけるのではないか」と考え、広野町での開業を決意しました。環境的にも、慣れ親しんだ地元の方が良いかなという思いもありました。そして2023年6月2日に、「Hair Salon covi(コーヴィー)」をオープンしました。


現在、多い日には7~8人のお客様に対応しています

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明るく開放的な店内

店名の由来は、私のイニシャルがCO、そしてコロンと丸く優しい雰囲気の名前にしたかったので「covi」としました。お店の場所は母が所有していた土地で、国道6号線を行き来する人々の目に止まりやすいので、この場所に決めました。

お店のコンセプトは、自然とリラックス。外観は周囲の自然に溶け込むような色合いにして、店内は心からリラックスしていただけるよう、天上を高く、木の雰囲気を生かしたナチュラルな雰囲気にしました。東京にいた際に、勉強として色々なお店にお客さんとして訪れていたので、イメージは固めやすかったですね。

特に大きく宣伝はしていないのですが、立地が良く、建物も目立つので、予想していた以上に多くの方が来てくださっています。また、建築会社さんとその施工事例を紹介するWEBサイトでもウチを紹介していただいているので、それを見て来てくださる若い方も多いですね。

美容師として約27年働いており、経営に携わっていたこともあるので、お店の運営に関しての不安はありませんでした。特に苦労したのは補助金の申請ですが、「広野町商工会」や県の担当者の方が手厚くフォローしてくださり、何とか採択にこぎつけることができたので、とても感謝しています。


できる範囲で地域に貢献したいと考えています

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お客様を笑顔にさせる接客を心がけているそう

東京での集客は楽ですが、コンクリートに囲まれているようなイメージでしたし、毎日多忙でした。広野町は、海があり、山があり、川があり、豊かな自然に囲まれているので、気持ち的にはとてもリラックスできています。集客に関しては、人が人を呼ぶ土地柄なので、人とのつながりを大切にしていきたいと考えています。

お客さんは、小さいお子さん、学生、若いお母さん、60代以上の方、おばあちゃんなど、様々な世代の方がいらっしゃいます。広野町は美容室が少なく、美容師の高齢化も進んでおり、1日3人まで、リピーターのみなどの制限を設けているお店もあるので予約が取りにくいらしく。そんな理由から、ウチにいらっしゃる方も多いようです。

ある時は、学生3人のグループが「一緒に行っていいですか?」と問い合わせてきたことがあり。私一人で営業しているので、普通ならば受けるのは厳しいのですが、「カットして流すだけなら大丈夫、シャンプーまではできないけれどそれで良ければ」と伝え、来店していただきました。できる限り要望に応え、困っている方のお役に立つことで、少しでも地域に貢献したいと考えています。

疲れた時に来ていただいて、リラックスした時間を過ごしていただいたり、若いお母さん方の相談に乗ってあげたり、特別なことではないのですが来てくださった皆さんに笑顔で帰っていただける、そんなお店づくりを目指しています。


自然の中でゆっくり暮らしたい人、新しいことを始めたい人にオススメです

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明るくお客様を見送る大須賀さん

広野町の魅力は、やっぱり豊かな自然ですね。私が小さい頃は、美しい田んぼが広がっており、犬や猫などたくさんの動物と触れ合ったり、海や川で遊んだりと楽しかったですね。また、いわき市の美容室に就職した後も地元から通って働いていたのは、趣味としてボディボードをしていたから。岩沢海岸という良い波が立つ絶好のポイントがあり、まるで部活のように毎日海に入っていました。

広野町は自然豊かで落ち着いた環境なので、かなりゆったりとした生活が送れると思います。畑をやりたい人や、釣りをしたい人、山や海などの自然が好きな人、自由が好きな人には合っていると思います。まだお店が少ないので、パン屋さんやカフェなど独立開業を考えている方にもオススメです。私も自分のお客さんを紹介できますし、一緒に頑張っていけたらと思います。

魅力的なお店や施設が増え、楽しいことが増えていけば、自然と人も増えていくと思うので、自分のお店も地域密着型でありつつも新しいことを取り入れていき、楽しい、行きたいなと皆さんに思っていただけるようなお店にしていきたいですね。


今後より良いコミュニティが形成されるよう期待しています

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広野町への期待を語る大須賀さん

しっかりとしたコミュニティが形成されるのには、もう少し時間がかかるのではないかと思っています。避難先から戻って来られた方、移住されて来た方、進学されて来た方など、様々な方々がいらっしゃるので。ですが、お客様として来てくださる方は、皆さん優しいですし、良い人ばかりなので、今後、より良いコミュニティが形成されていくことを期待しています。

地域とより交流を深めたいのならば、体育協会・スポーツ少年団・総合型地域スポーツクラブが統合した組織「広野みかんクラブ」や、多世代交流スペース「ぷらっとあっと」などがあるので、そちらに足を運んでみるのも良いと思います。

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