子どもたちに広野町の星空の美しさを伝えたい

鈴木さん

Uターン:鈴木 靖さん


町に住んで貢献したいと定年退職を機にUターン

 私は5人兄弟の末っ子として広野町で生まれ育ちました。福島高専を卒業後、小西六写真工業(現コニカミノルタ)に入社。仙台、札幌、東京と転勤生活を送り、定年退職後を機に広野町に戻ってきました。根っからの田舎者なので人混みが嫌いで(笑)、東京以外に住みたいとずっと思っていたんです。ただ、広野町に戻るという意識はありませんでした。Uターンを決めたのは東日本大震災がきっかけです。この町に住むことで地域に貢献したいと思い、私の定年と末娘の大学卒業が重なったので、妻と二人で引っ越してきました。私は子どもの頃から星が好きで、仙台に勤務していた1985年、広野町内に「星の降る里・SUZUKI天体観測所」を建設。地域の子どもたちに星を見せてあげることを老後の楽しみにしてきました。今は会社勤めの傍ら、星空の魅力を伝える活動をしています。


天の川が見える美しい星空が魅力 町内やいわきで観測会を開催

Uターン:鈴木 靖さん(写真1)
星空観察会を開催する鈴木さん

地元の人も意外と知らないのですが、広野町では天の川がきれいに見えます。環境省が選定する星がよく見える場所にも5期連続で選ばれているんですよ。私にとっては、やはりこの星空の美しさが広野町の一番の魅力であり自慢ですね。私が町を離れている間、天体観測所は兄夫婦が守ってくれていました。兄は震災の翌年に亡くなりましたが、地域でイベントを企画することが好きで、子どもたちを集めて星空観察会を開催していました。観測所が今もあるのは兄のおかげです。
現在はコロナ禍の影響で観測所での実施は難しいのですが、広野町公民会主催の星空観察会を公民会などで年3回開いています。また、私はいわき天文同好会にも所属しており、いわき市内の小学校などで子どもたちに星空を見せる活動にも参加しています。


妻に不便をかけているが気持ちを理解してくれて感謝

広野町には40年ぶりに戻ってきましたが、私自身は快適に生活しています。ただ、20年以上東京で暮らしてきた妻にとっては、病院や買い物をする場所、電車の本数の少なさが不便に感じるようです。当初はUターンにも反対されましたが、最終的には私の気持ちを理解して一緒に来てくれたので感謝しています。
広野町公民会主催の星空観察会の参加者は、今のところ年配の方がほとんどです。「星を見るのは久しぶりだ」「一度ちゃんと見てみたかったんだよね」と喜んでくださるのでうれしいのですが、残念ながら子どもたちに星空を見せる機会がまだありません。広野町はこんなにきれいに星が見えるところなんだよと子どもたちに知ってもらうことが私の夢です。公民館の方にも「広野小学校の校庭で星を見る会をやりましょう」とお話ししているので、ぜひ実現したいですね。

 

*出典:ふくしま12市町村移住支援センターパンフレット「ふくしま12暮らし」

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