育てる喜び、食べる楽しみを園児たちに

宍戸由香

広野こども園「ひろぱーく」園長 宍戸 由香さん

広野町生まれ。いわき短期大学幼児教育科卒。幼稚園教諭、保育士の資格を取得し、卒業後は広野町の保育所をはじめ、幼稚園、児童館、広野こども園に勤務。令和6年4月より、広野こども園の園長を務めている。

 

育てる喜び、食べる楽しみを園児たちに

宍戸さん紹介
広野こども園の園長を務める宍戸さん

 広野こども園「ひろぱーく」は、平成31年に開園しました。幼保連携型認定こども園で、現在、0歳児から5歳児までの小学校就学前児童、97名が通っています。

 こどもたちの健やかな成長のために、園では独自の取り組みをしています。令和6年度は、食育に関する取り組みを行いました。5歳児クラスを対象に、園庭の花壇を畑にして、夏野菜を育てることから始めました。ピーマン、キュウリ、ナス、オクラ、トマト、パプリカを栽培し、他のクラスの園児たちも、興味を持って野菜が育つのを見守りました。収穫した野菜は栄養士が献立を考え、園内調理室で調理して、給食やおやつにみんなでいただきました。それまで、ピーマンやトマトなど、食べず嫌いの園児もいたのですが、自分たちで育て、収穫したことで、食べられるようになった園児も多かったです。食育の大きな成果の一つだと思っています。夏野菜の後はサツマイモを植えました。秋にみんなで掘り起こしてサツマイモパーティーを企画し、収穫の喜びを体験してもらいました。

 また、近くにあるみかんの丘に行き、みかんが木に成っている様子を見学したり、実をもいだりすることも町との連携で行いました。園児たちの反応もよく、このような食育の事業を園全体に広げながら、今後も続けていきたいと考えています。


絵本やカード、歌やゲームで覚える日本語、英語

 言葉の教育に力を入れているのも広野こども園の特徴です。3歳から5歳児のクラスを中心に、絵本や映像、カードなどを使い、ひらがなだけでなく漢字も楽しく覚えていきます。毎月、一人1冊ずついただく絵本を、漢字も含めてすらすらと読めるようになるので、読む楽しみも味わえているようです。もちろん、ふりがなは付いていません。家に持ち帰った絵本を大人顔負けに漢字まで読むこどもたちに、親御さんたちからは嬉しい驚きの声が聞かれます。

 保育園では園児たちの名前をひらがなで書くことも多いと思いますが、当園では、4、5歳児クラスになると自分の名前を漢字で書けるように教えています。名前のシールなども漢字で書いて貼ってあげるので、友だちの名前を漢字で覚えることもできるようになります。

 英語については、小・中学校のALT(外国語指導助手)が、月に1〜2回、こども園にも来てくれます。園児たちは歌やゲームを交えながら、初めての英語を楽しく学んでいます。


園児たちが楽しみをひとつ、またひとつ、持てるような日々を

宍戸さん紹介
園児たちとの日々を語る宍戸さん

 私は、園児たちが毎朝、何か一つでも楽しみを持って登園してくれたらいいなと思っています。「今日はこれをやるのが楽しみ」という気持ちで来てほしいんです。そして一日を過ごし、帰るときにはまた明日の楽しみを持って帰ってほしい。先生方にもそのように伝えています。「明日はこれをやろうね」と声かけをして、「また明日、待ってるね」と園児を送り出す。園児もまた明日の楽しみができます。その日々の繰り返しが、かけがえのないものになっていくのではないでしょうか。

 また、園児だけでなく、保護者の方とも話しやすい雰囲気づくりを心がけています。子育てに関する悩みなどをクラス担任に相談する方もいれば、職員室に来てくれる方もいます。状況に応じて話す時間を設けたり、なかなか来られない方には、「電話でもいいですよ」と言ってお話をさせてもらっています。


海が見える「教育の丘」でこどもがのびのび育っています

 広野こども園がある一体は「教育の丘」と言われていて、海が見える高台にこども園、小学校、中学校、中高一貫校があります。ですから、保護者の方も送迎がしやすいと思います。兄弟が通っていれば、こども園に行って、児童館に行って、ということがスムーズにいきます。私も2人の息子を育てながら仕事をしていたので、よくわかります。忙しい毎日の中では、やはり助かりますね。

 町でも子育て支援の取り組みはいろいろしています。例えば、こども園と児童館で交互に実施している事業に「げんキッズ」があります。就園前のお子さんを対象に月に1〜2回行われていて、親子で参加できます。テーマ遊びをしたりするほか、保健師が育児相談を受けたり、保護者同士の情報交換ができる場にもなっています。こども園に通わせたいけどちょっと不安があるといった親御さんにも、ご利用いただけるといいなと思います。


居心地の良さが広野町の魅力です

 

 私は広野町で生まれ育ちました。幼児教育科のときの実習も、広野の幼稚園でさせていただきました。その幼稚園には私が園児だったときの先生がいて、お世話になった先生と一緒に働けたらいいなと思ったのが、広野で働くようになった理由の一つです。

 広野町は子育てしやすい環境だと思います。町内の人たちとのつながりも結構あって、「誰々さんとこの息子さんだね」と言われたり。そういう意味でも、安心して子育てしやすいところだと感じています。息子たちはこの町で、二人とものびのびと育ちました。長男は高校を卒業し、次男は中学生です。町の居心地はいいようですね。私も同じように感じています。

 町の人には、こどもたちが元気に遊びまわる様子を見てほしいです。園児たちのためにも、こども園の中にとどまらず、世代を超えた交流をもっと活発に行っていけたらいいなと思っています。



このページに関するお問い合わせ

広野町役場
〒979-0402 福島県双葉郡広野町大字下北迫字苗代替35
電話:0240-27-2111 (代表) ファクス:0240-27-4167
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。