【移住者の声】楠本みゆきさんにインタビューさせていただきました!

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令和5年9月6日/有限会社フロンティア広野

Uターン:楠本みゆきさん

福島県いわき市久之浜町出身の24才。3次元コンピュータグラフィックスの専門学校を卒業後、農業短期大学校の長期就農研修を1年間受講。2021年4月より「有限会社フロンティアひろの」にて2年間、研修生として農作業に従事。2023年より、管理耕作者として本格的に農業をスタート。


自然とともに生きていく そんな仕事に就きたい

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インタビューに答える楠本さん

海の近い、福島県いわき市久之浜町で生まれ育ったので、自然は大好きでした。自然系のアニメーションを作りたいと思い、神戸の3次元コンピュータグラフィックスの専門学校に通っていたのですが、もともと自然が好きだったこともあり、卒業を前に農業に興味が湧いてきました。そこで、実際に体験してみようと思い、福島県南相馬市の農家で約1週間アルバイトをしました。アルバイト先には、地域おこし協力隊の方、農業をしながらミュージシャンをやっている方、農家のお手伝いをしながらバイクで日本中を旅している方など、色々な方が集まって来ており、さらに夜には地域の若い方が集まり、これからの農業について熱く語り合っていました。それにとても刺激を受け、私も農業がやりたいと、就農を決心しました。その後、北海道で一年間酪農の仕事を行ったのち、栽培・飼養技術や農業機械の操作方法等の習得、さらに農業経営の課題解決等の講義も受けられる『福島県農業総合センター農業短期大学校』の長期就農研修を受講しました。


豊かな自然とゆったり流れる時間 広野町で就農したいと思いました

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認定農業者としてお米の栽培を行う

農業短期大学校での1年間の長期就農研修も終わりに近づき、いわき市で農地を探していたのですが、これから1人で就農するとなると、なかなか土地が見つからず。そこで、お隣の広野町に問い合わせしてみたところ、役場の方が「公益財団法人福島県農業振興公社 就農支援センターの農業次世代人材投資資金(準備型)を活用し2年間の研修を受け、就農できるようにしていきましょう」と、『有限会社フロンティア広野』を紹介してくださり、2021年から2年間、研修をさせて頂くこととなりました。初めて広野町を訪れた印象は、とても自然が豊かで、穏やかでゆったりとした時間が流れており、自分に合っていると感じ、広野町で就農したいと思いました。研修内容は、水稲作業全般。様々な工程があるのですが、それぞれが一年に一度しか行われないので、覚えるのが大変でした。さらに、機械の運転操作など、様々なことも教わりました。そして2年目には、ある程度の作業や機械操作なども任せて頂けるようになりました。ずっと農業をやってきた超ベテランの芳賀社長に、つきっきりで2年間教えて頂いたことは、とても貴重な体験でした。そして令和5年、フロンティア広野での2年間の研修を無事に終え、認定農業者として登録され、新規就農を果たしました。管理耕作者として田んぼを任され、一人で責任を持ってお米の栽培を行っています。作付面積は、二町五反(米約250アール)。強く育てやすい品種「天のつぶ」の飼料米をメインに、「農林水産省」により、田植え前から収穫までの間に、地域の慣行レベル節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物と、ガイドラインが定められている特別栽培米の「こしひかり」も少しだけ育てています。就農して最初の年なので不安はありましたが、芳賀社長や皆さんに色々とサポートして頂き、今のところ上手く育っていると感じています。


プライドを持ってお米を作る 芳賀社長は私の憧れです

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楠本さんが研修を受けた『フロンティア広野』

広野町の農家さん、特に田んぼをやられている方は、こだわりが強いように感じます。広野町の作付面積はお米が多いため、美味しいお米を作るのはもちろん、田んぼの見た目にも気を使っていて、「自分たちの田んぼも広野町の美しい風景の一部であり、雑草の一本も生えさせない」というプライドを持ってやられているので、なかなかついていくのが大変です。芳賀社長はよく田んぼを見ていて、「ふちにある雑草を抜いてきて」と言われるのですが、私にはその雑草がどこに生えているのか分かりません。田んぼに入って、近くまで行って、やっと見つけられるんです。経験を重ね、常に愛情を持って田んぼを見ているからこそ、そんなことができて、それが美味しいお米作りに繋がっているんだなと感じています。『有限会社フロンティア広野』は、地元農家さん達のコミュニュケーションの場にもなっています。芳賀社長は、県の農業担当の方が「社長は農業に関する事なら、何でも知っているから、分からないことがあれば遠慮せずに聞きな」とおっしゃるほどの知識・技術の持ち主なので、色々な方が相談しに来たり、情報交換に来たりしています。そんな時、プロ中のプロに教えて頂いている私は幸せなんだなと、改めて感じています。受け入れて頂き、期待して頂き、色々と教えて頂き、芳賀社長にはとても感謝しています。


地域の優しい方々に見守られ刺激的な日々を送っています

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トラクターを運転し、稲刈りをする楠本さん

移住にあたり、大変だなと思ったことはありませんでした。強いて言えば家探しが難航しましたが、新規就農の支援として、通常は単身で入居できない町営住宅に入れて頂き、令和5年からは家賃支援制度も受けています。実際に移住し広野町で働いて感じたのは、地域の皆さんが、新しい人を快く受け入れ、いつも気にかけ、温かく見守ってくださること。他の農家さんのお手伝いに行ったり、逆にお手伝いに来てくださったりと、様々な交流があるので、すぐに地域になじむことができました。今では、田んぼで作業していると通りがかりに声をかけてくださったり、差し入れを頂いたり、ご自分の畑で収穫した野菜を頂戴したり、地域の皆さんに見守られ、毎日、楽しく過ごしています。また広野町には、独自のあひる農法を導入した有機栽培米をはじめ、化学肥料を減らした特別栽培米、さらに自社農産物を活用した6次化商品の販売までを行っている農業法人「新妻有機農園」を営んでいる新妻さんなど、先進的な農業を行っている方もいて、手伝いに伺った際に色々と教えて頂いています。さらに、同じ町営住宅には、ゲストハウス「クラシノガッコウ月とみかん」を運営している移住者・大場美奈さんも住んでいて、「クラシノガッコウ月とみかんの移住体験プログラムとして、稲刈りとかを一緒にやれたらいいね」などと話しています。色々な方から、刺激を受け、毎日がとても充実しています。


もっと色々なことがしたい! 広野町でチャレンジし続けます

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笑顔でこれからの農業を語る楠本さん

令和5年は、自分がイチから育てたお米の初の収穫なので、ドキドキ・ワクワクしています。令和6年からは、少しずつ作付面積を増やし、有機農業も行いたいです。2年間の研修時には玉ねぎやブロッコリーも育てていたので、畑もやってみたいですし、将来的には芳賀社長が栽培している「シャインマスカット」も手掛けてみたいです。また、絵を描く事が好きなので、自分の販売する農作物のパッケージデザインもしたいなと思っています。農業は自然に左右されがちですが、そういうのも楽しいんです。「今日は晴れたからあの作業をしなきゃな」とか、「今日は雨だからお休みだな」とか。そんな自然と同じリズムでの暮らしも気に入っています。これからも、広野町で農業を続け、色々なことにチャレンジしていきたいと思っています。

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