【移住者の声】蛯原宏行さん・紀子さん夫婦にインタビューさせていただきました!

picture01
令和5年8月9日/ 惣菜弁当KiYA

Uターン:蛯原宏行さん・紀子さん夫婦

福島県相馬市出身。東京都世田谷区の惣菜・弁当店で、25年間店長として勤務。東日本大震災を機に、大きな被害を受けた双葉郡にて復興の手助けをしたいとの思いから、2023年2月、家族で広野町に移住。3月21日、6号国道沿いに弁当・惣菜の店「KiYA」をオープン。


皆さんに喜んでいただけるお店を目指しています!

picture02
バラエティ豊かな料理が並んだ店内

お弁当屋さんには、小さなお子様からご年配の方まで、老若男女問わず色々な方が来店します。だからずっと、お弁当屋さんをやりたいと思っていました。忙しい主婦の方、栄養バランスや野菜不足が心配な方、出来合いのものばかりで食傷気味な方など、大したことはできませんが、手作りのお弁当やお惣菜で、そんな皆さんのお手伝いができればと考えています。また広野町には、自分よりも先に復興のために訪れ、様々な取り組みを行っている方も多くいらっしゃるので、そんな皆さんのお役に立ちたいという思いもありました。お店では、好きなものを欲しい分だけ購入できる量り売りと、メイン2種類・副菜4種類を選んでカスタマイズ弁当を作れる「お弁当セット」などを用意しており、誰もが美味しいと感じていただけるような味付けと、手作りにこだわっています。「KiYA」は、“喜家”(きや)。お店は未だ発展途上で、やりたいこと全てを出来ている訳ではないのですが、皆さんに喜んでいただけるようなお店を目指し、頑張っていきたいです。


地域のコミュニティスペースへ。気軽に集まれる場を提供したい

picture03
店内でできるワークショップ。お子様からお年寄りまで参加可能

様々な方と接する機会を作りたいとの思いから、店内にイートインスペースを設け、ワークショップも行っています。妻には、東京でデイサービスに勤務していた時に、手作りのレクリエーションなどを担当していた経験があり、自宅で教室を開きたいという小さい頃からの夢がありました。ワークショップは、誰でも参加OK! 材料費として一人500円をいただいています。また、イートインスペースにはおもちゃや本を置いて、お子様にココで遊んでもらったり、絵を書いてもらったりしている間に、お母さんがゆっくり買い物できるようにしています。今後は、もっとこのスペースを活用していきたいですね。子ども食堂、ギャラリー、音楽イベントの会場、各種教室の発表の場など、希望する方にお貸ししたいと考えています。気軽に使えるコミュニティスペースとして、地域に浸透してくれたらうれしいですね。


様々な巡り合わせが重なり、あっという間に移住が進みました

picture04
紀子さんが書いたオリジナルキャラクターがお出迎え

商売はずっとやりたいと思っていましたし、いずれは福島県に戻って来ようと考えていたので、東日本大震災後は、その思いがより強くなりました。家族には打ち明けていなかったのですが、相馬市の生まれなので震災で精神的にかなりダメージを受けたので、双葉郡で何かできないのかと考えました。開業するならやっぱりお弁当屋さんで、6号国道沿いにお店を持ちたいと思っていました。周囲に落ち着いたきれいな町並みがあり、車通りも多そうな立地は、まさに理想の物件でした。物件が見つかり開業を進めようとしていた矢先、突然、いわきのお義母さんが倒れてしまい老人施設へ入所しなければならなくなりました。施設を探していると、お店の近くの老人ホームへ入所できることとなり、これも何かの縁なのかと思いました。また、移住を後押ししてくれたのが、東京で行われた「移住相談会」。その際に相談に乗ってくれた「広野暮らし相談窓口 りんくひろの」相談員の大森さんが、落ち着いた雰囲気で、キチンと話しを聞いてくださり、とても印象が良かったので。大森さんには、その後も色々と相談に乗って頂き、今も支えてくださっているので、本当に感謝しています。


豊かな自然と優しい皆さんに囲まれて、毎日楽しく過ごしています

picture05
冗談を交えつつ、インタビューに答える紀子さんと宏行さん

広野町は、とにかく自然が豊か。自身の印象ですが、双葉町や大熊町など双葉郡北部の地域と比べて海と山と川が近いので、自然をより身近に感じられます。厨房の窓からは、美しい竹林と山々が見えるので、毎日その景色に癒やされています。お客様は、地元の方々はもちろん、移住されてきた方、北海道から沖縄まで復興作業のために全国各地から来られている方々など、様々な方がいらっしゃいます。また広野町には、「Jヴィレッジ」や「福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校」もあるので、全国から人が集まってきます。幅広いジャンルの方々がいらっしゃるのは、東京で働いていた感じと似ているので、すぐに仕事と地域に馴染めました。皆さんとても品が良く、良い人ばかり! いわき市に祖父から譲り受けた畑があるのですが、先日、その話をお客様にしたところ、ジャガイモ・サツマイモ・バジルなどの苗を頂きました。畑仕事を頑張りすぎて、いま手にあるマメは実は包丁によるものではなく、畑仕事のクワによってできたものなんですよ。閉店後に毎晩、お店の反省会を行っているのですが、妻と「広野町は本当に良い所だね」と、毎日話しています。

奥様いわく、広野町はストレスが無いのが良いですね。まず、余計なものが無い。東京の場合、一つのものを購入するにしても、どこの町に行って、どこのお店に行ってと、考えることが多く。選択肢が少ないのは不便と感じる人もいらっしゃるでしょうが、私は、人混みも無く、色々考えずに済んで、シンプルでストレスが無いのが良いところだと思っています。周りの方も、感じの良い方ばかりです。皆さん、ただ買い物をして帰るのではなく、色々と話をして様々な情報を教えてくださるので、毎日とても楽しい時間を過ごしています。また、ワークショップで手を動かしながらおしゃべりをしていると、お買い物中にはできないような話で盛り上がることもあり、お客様との距離が縮まるきっかけになるのもうれしいですね。周囲の方から「東京から、よく来てくれたね」とおっしゃっていただけるのですが、私達を暖かく迎え入れてくださった皆さんに、私の方こそ感謝の心を伝えたいです。


広野町は何かを始めるにはとても良い場所です

picture06
店内にはお二人の笑顔があふれる

帰還された方も、そこがスタートと捉えるならば、みんな走り出したばかり。広野町は何かを始めようとするにはとても良い場所であると思いますし、皆で協力し合えばもっともっと良い町にしていけると考えています。また、豊かな自然に囲まれているので、定年後ストレス無くのんびり暮らすのにもピッタリ。教育施設も充実しているので、子育て世代にも魅力的な環境が整っています。広野町自体の人口は約5,000人ですが、働きに来ている方も多いですし、もっとグイグイ伸ばしていける可能性を感じています。これから移住されて来られる方と一緒に、楽しく町を盛り上げていけたらうれしいですね。私自身は、お店を大きくするのではなく、地道に“喜家”精神を貫いていきたいと思っています。妻が書き上げたお店のシンボルキャラクター・インコの「キヤちゃん」「キヤくん」は、十二市町村のキャラクターと比べても遜色ないほど可愛いと思っているので、「キヤちゃん」「キヤくん」の旗を町中に掲げて、町を明るく、元気に彩っていきたいと、密かに考えています。

このページに関するお問い合わせ

広野暮らし相談窓口「りんくひろの」
〒979-0402 福島県双葉郡広野町大字下北迫字苗代替35番地
広野町役場 復興企画課内
電話:0240-27-1251 ファクス:0240-27-2212
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。