平成27年4月8日 福島県立ふたば未来学園高等学校 第1回入学式 祝辞

ページ番号1002054  更新日 2022年2月10日

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福島県立ふたば未来学園高等学校の入学式にあたり、お祝いのごあいさつを申し上げます。
ふたば未来学園高等学校に入学されました皆さん、誠におめでとうございます。限りない夢と希望を胸に入学された皆さんはもとより、これまで皆さんを慈しみ育んでこられましたご家族の皆さまのお喜びもひとしおのことと拝察し、心からお祝いを申し上げます。
ふたば未来学園高等学校は、福島県民、とりわけ双葉地域の住民の皆さまの大きな期待の下に開校されました。「先進の学びで 地域から世界へ、そして未来へと 広く社会に貢献する人材を育成する学校」の誕生は、双葉地域の歴史に光り輝く希望となるものであります。皆さんは、東日本大震災に遭遇し、これまでに双葉郡内、福島県内外において、区域外就学などを経て立派に成長をされて高校生となりました。皆さんを培ったそれぞれの「ふる里」を心の誇りとして胸に刻み、高校生活で思う存分学び活躍していただきたいと思っております。広野町は双葉郡8か町村の連携の下、安全で安心な教育環境の整備に全力で取り組んでおります。入学される皆さんは、友人、ご家族、先生をはじめ、「ふたばの教育復興応援団」の皆さま、「ふたば未来学園高等学校を支援する会」の皆様が応援をしていることを胸に刻んでいただき、これからの高校生活をそれぞれの夢と希望に向けて、グローバルリーダーとなるべく未来に向かって力強くチャレンジしてください。
皆さんはスーパーグローバルハイスクールをはじめとする先進的な教育カリキュラムを通して、海外へのコミュニケーションを高める語学力を養い、世界に向けて活躍するスキルを高められます。
震災直後の過酷な被災地での救援活動をされたアメリカ空軍兵士の、
「日本人ならまた再生し、復興できると信じている」という言葉を紹介したいと思います。ヘリコプターで上空から見えたSOSの文字を頼りに学校の校庭に着陸すると、駆け寄った被災者の方々が頭を下げて出迎えられた。言葉が通じない兵士に感謝の気持ちを伝えようとする姿に心を動かされたのです。避難所で被災者自身が協力して周囲の清掃を行い、ゴミを分別していた。どのような境遇にあっても礼儀正しく、他人を思いやる心を持った日本人の姿に深い感銘を受けたのです。米軍兵士たちはその素晴らしい日本人のために「役に立てて光栄だった」と、誇りを持って日本を去って行ったのです。礼儀正しさや思いやりといった日本人の国民性は一朝一夕に培われたものではなく、長い歴史の中で養われた文化であります。皆さんはこのすばらしい文化を継承する力を有しています。皆さんに、大地震と原子力災害という現実を乗り越え、双葉地方を築いてきた先人の偉業を受け継ぎ、未来を切りひらくといった「継往開来(けいおうかいらい)」という言葉を託します。感謝の気持ちを大切に、その時、その場所で、愚直に黙々と努力し続け、己のベストを尽くすこと、自らの真心を尽くすことにより、復興は成し得るのです。日本の心・文化を学んで夢と希望の未来に向けて大きく羽ばたいていただきたいと思います。
学園の寮につきましては、1期生の皆さんの志がふたば未来学園高等学校の歴史の原点となり、その志が未来永劫(えいごう)後輩たちへと受け継がれていくことを念じ、広野町役場職員全員の気持ちを込め、「立志寮」と命名させていただきました。皆さんには、高い志を持ち、ふる里への誇りと感謝を胸に刻み、私たち広野町町民一同が応援を送る中、ここ広野町で、それぞれの夢と希望に満ちた輝かしい高校生活を送っていただきたいと心より願っております。
結びに、新入1期生の皆さん、ご家族の皆さま、ご臨席の皆さまのご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。

平成27年4月8日

広野町長 遠藤 智

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