学生ユニット「黄色い小鳥」

ページ番号1005469  更新日 2026年8月6日

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学生ユニット「黄色い小鳥」
左:増田 和俊さん、右:川﨑 愛香さん

「大学生観光まちづくりコンテスト2024」で準グランプリに輝き、その後も広野町へ通い続けている大学院生の川﨑愛香さんと増田和俊さん。専攻学科も異なる二人が、なぜ広野町に通い、町のキーパーソンと町民を巻き込む存在になったのか。二人が語ってくれた、リアルな声をお届けします。


たくさんの冊子の中で際立った「1枚のチラシ」

多くの自治体がある中で、なぜ広野町を選んだのですか?

コンテストの事前説明会で、他自治体の豊富な冊子が並ぶ中、広野町だけはクリアファイルにチラシ1枚だけでした。薄くて逆に気になり調べてみると、地域のために熱意を持って活動している人がたくさんいる。そのギャップに惹かれたのがきっかけです。ユニット名の「黄色い小鳥」は福島県の県鳥キビタキが由来ですが、実は最初は「とにかく名前を登録しなきゃ」と付けたものでした。

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コンテスト本選での発表

五社山へのドライブと、温かい町民の皆さん

初めて町を訪れた時の印象と思い出を教えてください。

「海と山の音が両方聞こえて綺麗だな」という第一印象から始まった広野の滞在。車を持たない私たちは徒歩で巡っていましたが、3日目には町民の方の車に乗せてもらい、五社山・箒平へのドライブ。「この道、すれ違えないぞ。」というドキドキもしましたが、気さくに声をかけて乗せてくれる温かい優しさに触れ、町民の皆さんとの距離がぐっと近くなりました。

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五社山からの景色

茨城で手もみを学んだ「みかんの葉茶」の挑戦

「みかんの葉茶」の苦労とフェスでの手応えは?

コンテストの準グランプリがめちゃめちゃ悔しかった。提案したプランの一つ「みかんの葉茶」を形にしたくて、茨城県で手もみを学びましたが、みかんの葉はバリバリに割れてしまい悪戦苦闘。自分たちでも「正直美味しくない、漢方そのもの」という味でしたが、東京のフェスに出展すると、逆に「漢方っぽくて良い」と大好評。完璧な味じゃないからこそ、「全家庭に苗木が配られた歴史」を伝える最高のきっかけになりました。

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手作り「みかんの葉茶」

学生だからこそできる「繋ぎ役」として

現在も広野町へ通い続けている原動力は何ですか?

自分の考えたことやアイデアをまちの方と一緒に話して、現場で実際に形になる体験はすごくいいなと感じています。何より広野は居心地がいいんです。いつも泊まる旅館は、まるでおじいちゃん・おばあちゃんの家に帰ってきたみたいで。町内の中華屋に行くと、来店2~3回目なのに顔を覚えてくれていました。よそ者の学生だからこそ、みんなの間をフラットに繋ぐハブ(繋ぎ役)になれたらと思っています。

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川﨑 愛香さん
学生ユニット「黄色い小鳥」
増田 和俊さん

外から見て気づいた、広野町の隠れた資源

外からの視点で感じる、広野町の魅力とは?

町民の皆さんが「当たり前」と思っている日常に、凄い価値があります。

1つ目は、栽培農家ではなく「各家庭の庭先にみかんの木がある」事実。都会の人に言うと驚かれます。

2つ目は、山奥に湧く「鉱泉」の水質。肌がツルッとするのは普通の水じゃ表現できません。

3つ目は、都会なら高値がつく美味しい「露地栽培の野菜」。「パッと「スイカどうぞ」ともらえる豊かさは、隠された凄い資源です。

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東京のフェス出展

二人からのメッセージ

象徴である「みかん」を、これからも一緒に

いつもまちに来た時に色々な方に良くしていただいて、本当にありがとうございます。私たちの活動を通して「学生がなんか頑張ってるな」と、町民の皆さんに少しでも見守っていただけたら嬉しいです。

広野町の象徴が「みかん」であることは、歴史的に絶対に変えられない強みです。社会人になっても、週末ボランティアや、純粋に旅館や中華屋の美味しいご飯を食べに「ただいま」と帰ってきます。次の若い学生たちへこの仕組みを手渡す窓口になりながら、これからも広野に関わり続けます!

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二人からのメッセージ

[WEB限定コーナー]紙面に載せきれなかった深掘りエピソード

二人の専攻と、コンテスト出場のきっかけについて教えてください。

川﨑さん:私は大学院の都市計画研究室で、東京都23区におけるサードプレイスとしての銭湯の調査などをしています。建築士の受験資格を得るためのダブルスクールも通いつつ実践的な挑戦がしたくて、学部時代の卒業旅行で福島を訪れて愛着があったのでコンテストに応募しました。

増田さん: 僕は生物物理を専攻していて、細胞の硬さを測ってがん細胞が他の臓器へ転移するメカニズムの解明など、基礎研究をしています。二人とももともとは観光やまちづくりを専門にしていたわけではないんです。

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ユニットのアイコン

「みかんの葉茶」試作の裏側

増田さん:広野町振興公社で、バナナ、コーヒー、レモン、みかんの若い葉など、5パターンのお茶を淹れて飲み比べをしたんです。ほうじ茶や緑茶のような色になって面白かったんですが、正直一番美味しかったのはレモンやコーヒーの葉でした。

川崎さん:でも、美味しいからといってそれを選んでしまうと、広野町のコンテスト提案としてのアイデンティティ(みかん)が無くなってしまうよねとなって。飲みやすさよりも「広野町のみかん」というテーマを最優先にして、あえて難しかったみかんの葉茶で勝負することに決めました。

食と味の店「かなめ」での定番ルーティン

川崎さん:定休日の火曜日以外は、広野に来るたびに毎回「かなめ」さんでお昼を食べています!もうルーティンになっています。

増田さん:最近は毎回必ず「豚キムチ炒め定食」と「しそ餃子」を頼んでいますね。

川崎さん:2〜3回目に行ったときからすでに顔を覚えてくださっていて、最近では私たちが学生だと知って、サービスしてくださることもあって。私たちがまちづくり活動をしているかどうかに関係なく温かく接してくださるので、本当にありがたいなと思っています。

銭湯好きが絶賛する広野の「鉱泉」

川崎さん:私は普段東京でよく銭湯に行くくらいお風呂が好きなんですが、山奥にあるつるや旅館さんや若松屋旅館さんの「鉱泉」は本当に素晴らしい資源だと思います。湯ざめのしにくさや温まりやすさ、肌に触れたときのツルッとした感じは、普通の水では表現できない魅力です。ニッチで豊かな資源があるのはすごく魅力的だなと感じます。

次世代へのバトン渡し

川崎さん:広野町は、私にとっては「居心地が良い場所」ですね。親戚が都心にしかいないので、アニメや漫画で見るような「田舎のおじいちゃん・おばあちゃんの家に帰ってくる」感覚ってこういう感じなんだろうなって。若松屋旅館さんや地域の方の家に行くとすごく心地がよくて、忙しい時でも「また広野に戻ってやりたいな」と思える大切な場所です。

増田さん:私は普段の大学の研究が基礎研究なので、自分のアイデアが実際の現場で形になったり、町の方と一緒に議論して実現していくプロセス自体が、すごく良い体験になっています。就職したら、勤務する会社によって制約もあるかもしれませんが、たまに帰ってこられる「故郷」のような場所として関係を続けたいですし、ボランティアとして何かお手伝いできたらと思っています。

川崎さん:私は就職先を選ぶ時に「週末ボランティアをしている人がいるか」を確認して会社を選んだので、土日を使って広野に戻ってくるつもりです!ただ、私たちが5年、10年と関わり続けると、だんだん「中の人」と「よそ者」の間のような存在になっていくと思うんです。だから、主体的な活動は次の新しい学生たちに渡していって、私たちがその新しい学生と町を繋ぐ「導き手」や「窓口(ハブ)」になれたらいいなと思っています。