【ワークショップ開催情報】二地域居住アーティスト・イン・レジデンス2024

ページ番号1004886  更新日 2025年1月30日

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プロジェクト概要

広野町では、アーティストが地元の文化やコミュニティと深くかかわる「二地域居住アーティスト・イン・レジデンス」事業を令和4年度よりスタートしました。このプロジェクトでは、全国から選ばれたアーティストが広野町での生活と制作活動を通して地域と関わり合い、町民の皆さんと新しいつながりを生み出します。

アーティストは町内で一定期間を過ごしながら、自身の創作活動に取り組むとともに、町民の皆さんとの交流やワークショップの開催を通して、町の魅力を発信していきます。この取り組みにより、町はアーティストの創造的な活動や地域への貢献が町の魅力を高め、移住を検討する新たな人々や新たなアーティストにとって魅力的な場所となり、地域全体の活気や定住を後押しする効果を期待しています。

プロジェクトテーマ

奥州日之出の松

名木「奥州日之出の松」をテーマとした現代アート作品づくりに挑戦していただきました。

「奥州日之出松」とは、日の出時における背景との美しさと、曲り松として優美さから、尾上の松、高砂の松と共にかつて日本三名松の一つに数え上げられていました。
しかし、平成16年の台風により木が倒れてしまい、現在はその松の子孫が植えられています。さらに、「安寿と厨子王」伝説との結び付きから、陸前浜街道沿いにおける名所となっていました。

参加アーティスト詳細

2024年には、3名のアーティストが参加します。それぞれのアーティストが持つ専門的な知識や技術を活かし、次のような活動を予定しています。

参加アーティスト_DOLLYさん

参加アーティスト_DOLLYさん

2008年、 京都精華大学の芸術学部マンガ学科を卒業。ストリートアート、ポップアートの技法で作品を制作しつつ、絵本作家・イラストレーターとしても活動。今回の滞在制作ではペインティング(絵画)の他、インスタレーションや壁画への展開も検討中。将来的には関西のアーティストを広野町に呼ぶような仕組みを作りたいとのことです。

自己紹介(アーティスト・ステートメント)

「私の作品は、形そのものが自分なりの答えを見つけるための装置として機能することを目指しています。鑑賞者が感情や記憶にアクセスし、新しい発見をするための場を作りたいと考えています。

主な素材は紙やビニールで、アクリル絵具やペンを使い、シンプルな線や形を描きます。計画的に形を決めるのではなく、偶然の線や動きから生まれた形を拾い上げ、感覚的に「かわいい」と感じた形が作品として独立するスタイルをとっています。

私の作品では、鑑賞者が心の中にある余白に気づき、その存在を再確認することを大切にしています。形や色に意味を固定せず、鑑賞者が自由に解釈できるようにすることで、見る人は自らの物語や感情を重ねることができます。作品に「正解」や「不正解」はなく、鑑賞者がそれぞれの答えを見つける楽しさが生まれる場を目指しています。

この表現手法に至ったのは、娘の仕草やふと目にする輪郭に「かわいい」を感じたことがきっかけです。その「かわいい」は、誰もが無意識に共有する親しみの感覚や共鳴の力だと気づき、形を通して他者とつながる瞬間が生まれるのではないかという希望が、現在の表現に繋がっています。鑑賞者の内面の記憶や物語を呼び起こすきっかけとなるような作品を目指し、日々制作を続けています。」

参加アーティスト_金藤みなみさん

参加アーティスト_金藤みなみさん

1988年徳島県三好郡生まれ。2011年女子美術大学卒業、2013年多摩美術大学大学院博士前期課程修了。彼女はソーイングを主な技法として作品を制作しているアーティストです。現在は二人のお子さんの育児と並行してのアーティスト活動だそうです。これまでに岡本太郎現代芸術賞やVOCA展など、若手現代アーティストの登竜門として知られた展覧会への出展経験もあります。今回の滞在制作でもソーイングを使って「奥州日の出の松」をモチーフとした作品を作りたいそうです。

自己紹介(アーティスト・ステートメント)

「私は、ソーイングを通して、排他された人や、社会的に押し付けられている役割、そして、それらを内面化している自分自身を愛そうとしています。特に、私自身が母親としての社会的役割を他人の目を気にして行っているなと感じる時、私は私自身を排他された人のようだと思います。

扮装すれば、私自身は、様々な典型的な役割に着替えることができます。あっという間に別の人になれるのです。扮装を縫う行為そのものが、私にとっては自分の手で社会的役割を組み換えていく行為です。

縫い物自体の歴史を考えてみると、19世紀末の日本では、女子の教育は必要ないとされていま

したが、裁縫学校では良き妻・母になることのための縫い物は奨励されていました。しかし、その技能は、稼ぐ手段として自尊心を与え、彼女たちの感情の表現手段にもなっています。ソーイングは時代を超えて自立と結びついているのです。」

参加アーティスト_鈴木萌子さん

参加アーティスト_鈴木萌子さん

2020年東京綜合写真専門学校卒業。写真を出発点にして、絵画・彫刻の技法を取り入れミクストメディア・自然界にある様々なもの(石や流木や骨)を素材に作品を作っているアーティストです。 骨を使うという点では、2023年の二地域居住アーティスト・イン・レジデンスで滞在したナディン・バルドウさんとも少しだけ似ています。今回の滞在制作では、「手製本」というやり方で、一冊の本として作品を仕上げる予定とのことです。また将来的には広野町に第二アトリエを構えることも考えておられるそうです。

自己紹介(アーティスト・ステートメント)

「私たちの世界は、無数の生命と時間が織りなす循環の中に存在しています。この認識のもと、私は銅を精錬した際に生じる鉱滓(こうさい:金属精錬時に溶けた鉱石の上層に浮かぶ非金属性のカス)、朽ちた流木、獣の骨など、人間の営みと自然が交差する場所に存在する素材を用いて制作を行っています。 これらの素材で粉砕などを行い、再構成し新たな形に造り変えていきます。 地層のように積み重ねた漆喰や骨の粉末、流木、鉱滓などを通じて、人間と自然の複雑な関係性を体現しています。 この表現手法は、工業化された社会が効率や予測可能性を追求する一方で、見失いつつある自然本来の律動に着目し、自然との関係性を問い直す意図から生まれました。 作品に向き合うことで、人間の営みと自然の力が交差する姿を感じ、私たちが見失いかけている自然との本質的な結びつきに気づくきっかけとなることを目指しています。」

ワークショップ開催情報

金藤みなみさんのワークショップ

公設商業施設「ひろのてらす」のフードコートエリアで、下記の日程でワークショップを開催予定です。
金藤さんのワークショップの際には、ぜひ古着をご持参ください。
お気軽にご参加ください。

  • 令和7年2月1日(土曜日)15時00分~18時00分
  • 令和7年2月2日(日曜日)15時00分~18時00分
  • 令和7年2月3日(月曜日)15時00分~16時30分
  • 令和7年2月4日(火曜日)14時00分~16時30分
  • 令和7年2月5日(水曜日)14時00分~16時30分

金藤みなみさんアーティスト活動

このページに関するお問い合わせ

広野町役場 復興企画課
〒979-0402 福島県双葉郡広野町大字下北迫字苗代替35番地
電話:0240-27-1251 ファクス:0240-27-2212
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