水前稲荷

ページ番号1004378  更新日 2024年2月26日

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水前稲荷

水前稲荷
水前稲荷

水前稲荷は広野の中心部から少し離れた、目の前に田んぼが広がる小高い所に鎮座しています。


水前稲荷の伝説にある灌漑用水は、小さな流れとなっていますが現在でも美しい水を湛えています。


神社までのアプローチの石積みの階段は、地元の人々によるもので、とても趣深い風情を感じさせます。拝殿の天井は素朴な絵で飾られており、そこに祀られている白い狐様は、伝説を彷彿とさせるものです。


稲荷江筋(江形水道)

この江形水道は、水路がいつ作られたのかは、工事の記録が残されていないので不明ですが、おそらく、浅見川村が誕生した頃から、開田に伴って、村人の手によって開削され、長い歳月をかけて竣工したものなのでしょう。
それだけに、記録こそ残っておりませんが当時の難工事の状況を物語る話が、今でも人々のなかに大事に語り伝えられております。
水路作りは、土地の高低を測りながら、山裾を縫うように切り開いていきますが、すべての作業は村人の手によりますから、どうしても水がのらない(流れない)所が出てきます。
そのような所では何度でもやり直しますが、どうしても失敗し、困り果てた場所が出てきました。

そこで、村人達は祈祷師を頼んできて、稲荷神を拝んでもらったところ、白狐が現れました。
この白狐のお告げによると、夜、鳴きながら血を垂らして行くから、その血の垂れている通りに水路を作るがよい。また、勾配は、夜、狐火をともすから、それを目当てに測るがよいとのことでした。そこで、そのお告げの通りに工事をしたところ、水道には水が満々とのるようになりました。
狐石の地に祀られているお稲荷さまは、百姓蒔七によって、京都伏見稲荷から勧請されたと伝えられていますが、江形水道工事の際にお告げがあったことから、水前稲荷として長畑・狐石の集落では大切にお祀りしています。また、江形(筋)水道のことを稲荷江筋とも呼んでいます。
(広野町史 通史編より)



住所
〒979-0406 福島県双葉郡広野町上浅見川
交通アクセス
広野駅から車で6分