下北迫地蔵尊

ページ番号1004376  更新日 2024年5月7日

印刷大きな文字で印刷

下北迫地蔵尊

下北迫地蔵尊
下北迫地蔵尊

下北迫のお地蔵さまには、子育ての祈願や亡くなった子供の冥福を祈る親たちが多くお参りに来ます。また、「イボ」で困っている人も、お地蔵さまの台座前に置かれた小石を持って帰り、「イボ」をさすると治るともいわれていることから、「イボ取り地蔵」さまともよばれています。
昔は、長雨が続き不作が心配されるようになると、お地蔵さまの前に近在のお年寄り達が集まって「天道念仏」の数珠繰りをして雨止みの祈願をしました。



下北迫の地蔵さまの由来

天明四年(一七八四)から八年にかけて、東北の各地を襲った大凶作と洪水では、この広野の地においても、多くの人々が飢餓や疫病により亡くなりました。
下北迫の旧広野に祀られているお地蔵さま(延命地蔵尊)は、天明の飢饉のときに亡くなられた多くの人々の供養のためにと、林蔵寺十七世教蓮社良宜上人のお勧めで、夕筋・折木・浅見川・上北迫・下北迫など、楢葉郡内十ヵ村の人達によって天明八年に造立されたものです。
この地蔵さまは、もともとは旧広野に祀られておりましたが、一時、林蔵寺にお遷しされたことがありました。
しかし、林蔵寺に遷られて暫くして、旧広野の町は大火に遭いました。町の人々は「これは、地蔵さまをお遷ししたからだ」と言って、再び元の所へお帰り頂くようお願いしました。

林蔵寺にお遷ししたときにはなかなか動かなかった地蔵さまをお載せした台車も、お帰りになられるときには楽に動きましたし、お地蔵さまも「にこにこ」と喜んだお顔をされておられたといわれています。

お地蔵さまのご縁日は旧暦の8月24日ですが、少し前までは、この晩になると家々からお盆さまにお供えした提灯を持ち寄って、お地蔵さまの周りに飾ってお祭りをしたものでした。この晩は、夜店なども出て賑やかなものでした。
今は、新暦の8月24日に、旧広野のご婦人達が、林蔵寺の和尚さんに来ていただいて地蔵講を行っています。
(広野町史 通史編より)



住所
〒979-0402 福島県双葉郡広野町下北迫東町239−2
交通アクセス
広野駅から車で5分